『嵐が丘』☆

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『嵐が丘』エミリー・ブロンテ(訳/河島弘美)
本棚を見ると、文庫本は岩波文庫と新潮文庫が圧倒的に多い。
外国の古典作品はわりと岩波文庫で読むことが多いのだけれど、大学生のころ一度読んでみようと思って挫折した本があって、それがエミリ・ブロンテ『嵐が丘』。内容で挫折…というよりは、その訳者の言い回しにどうも慣れなかったから。あれから時は過ぎ、もうあの戸惑いも感じないだろうと岩波の『嵐が丘』を購入。数ページ読んでみて、あれ?なんだか訳がものすごく滑らか!現代語的!明治生まれのあの訳者の感じじゃない!と思ったら、新訳になっていました。

外国作品、とくに古典作品は多くの人が訳し、様々な出版社から出ていますが、昔から愛された翻訳作品も日本語の急激な変化によって翻訳作品そのものが若者にとっては古典作品になりかねない状況にもなったり。昭和の時代に名訳と言われた作品に現代語訳がほしい…なんて思う人もいるのではないでしょうか。そういった状況もあって、各出版社では新しく訳し直して出版するむきがあるようです。私が今回手に取った『嵐が丘』も2004年に訳されたものでした。平成版ですから、言い回しにつまずくこともなくぐいぐいと作品の世界に引き込まれていきます。でもその一方で、外国古典作品を読んだ時感じた訳語独特の雰囲気に出会う機会がこれから減っていくのかと思うと少々悲しくもあり…。
現代文の教科書でおなじみの森鴎外『舞姫』も、最近の高校生は読むのに苦労し、内容をしっかり把握するために現代語訳を配布することもあります。でも、そうなるとあの舞姫の独特の世界が変質してしまうようで心が痛むのです。そんなせつなさを、今回、旧訳と新訳を考えたとき感じました。

でも、岩波文庫の『嵐が丘』の河島弘美の新訳はいいと思います。
だって夢中になってあっというまに今日上巻読み終えて、下巻買いにいきましたもの!いくら現代語での訳でも、訳者が合わないと夢中になっては読めません。そう考えると、河島訳の『嵐が丘』に出会えたのはものすごくいいタイミングだったのかもしれません。
さぁさぁ、下巻を読まなくちゃ。

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